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こじらせ女子大生が暗号通貨・ブロックチェーンや中国についてゆるーく語ります。

中国ドラマ『欢乐颂(Ode To Joy)』の登場人物から読み解く中国現代社会の闇

こんばんは、こじらせ女子(@icotaku_utgirl)です。

本日は、中国・上海を舞台に、マンションの同じ階に住む5人の女性たちが、お互い助け合い時には衝突しながら、恋に仕事に奮闘する様を描いた、2016-2017年の大ヒットドラマ『欢乐颂(Ode to Joy)』を題材に、中国現代社会の闇を解説します。

 

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...そんな前向きな筋のドラマから社会の闇が読み取れるの?って感じですが、これが、5人のヒロインそれぞれの生い立ち・マインドセット・行動に、顕著に出るんです。今回は5人の中でも特に闇の深い攀姐こと攀胜美(パン・シェンメイ)に焦点を当てます。

 

攀姐ってどんな人?

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はぁ、ため息が出るほど美しい。端的に言って色気やばい。蒋欣(ジャン・シン)という女優さんが演じています。ドラマ放映当時は33歳でした。


役柄は、外資系企業の人事担当として働く色気たっぷりのお姉さんで、年齢は5人の中で上から2番目で、その面倒見の良さゆえ「攀姐(攀ねえさん)」との愛称で親しまれています。ヒロイン5人のうち、大学を出たばかりの年下の女の子2人とルームシェアをしています。アラサーに突入してからは結婚願望がますます強くなり、日々お洒落してお見合いに勤しんでいます。笑

 

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...いつも決まってますね!!!

 

そんな攀姐ですが、彼女の境遇は中国社会の深〜い闇を反映しており、それが彼女を長年の願望である結婚から遠ざけているように思えました。では一体どんな闇なのか解説していきます。

 

1: 中国の田舎部に残存する男尊女卑

攀姐は普段上海で暮らしていますが、江蘇省の南通という地方都市の郊外出身です。そこで暮らしている彼女の兄一家と両親には男尊女卑の考えが未だに残っており、何かにつけて彼女から搾取しています。

↓上から両親と甥、兄夫婦

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例えば...

  • 攀姐が給料の大部分を仕送りして両親と兄一家の生活を支えている。毎月の仕送り以外にも、問題が起きる度、両親が攀姐にお金を請求。一方兄は、まともに仕事せず呑んだくれてばかりだが、両親は文句一つ言わない。
  • 兄が結婚するにあたり購入したマンションの前金(なぜ結婚の際に購入する必要があったのかは後述)も全て攀姐が負担。
  • 困窮すると上海の攀姐の元に押しかけ、攀姐やその友人たちにまでお金をせびる。

...というありさま。

↓攀姐の母親が初対面の攀姐の近所の人にお金を貸してくれるよう頼む様子

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男尊女卑の風潮に加え、元々彼女一家が貧しかったのと、兄がスーパーロクデナシ(まともに働かず暴力沙汰を起こしてばかり、父危篤の時さえ面倒を見ずに逃亡、などなど)だったのも、彼女に重い負担をかける結果となりました。

中国の農村には古くから、労働力になり、かつ嫁や将来生まれた子供を一家の一員として迎え入れることができる男子を好む傾向がありました。女子は他の家に嫁いでしまうので、一家の戸籍から抜けてしまいます。そのため、一人っ子政策の時にも農村では男子が好まれ、女子が生まれると捨てられたり戸籍登録されなかったり(黒孩子と呼ばれる)といった現象が見られました。

攀姐の実家が農業を営んでいる様子は確認できませんでしたが、彼女の両親が農家で生まれ育ったために、男尊女卑の考え方をまだ引きずっているのでは、と思いました。

攀姐はご覧の通り綺麗で賢く、気配りもできる女性なので、男には基本困らないのですが、実家の事情がバレた途端フラれてしまうことが多かったようです。観ているこっちが辛いですね。

2: 中国人男性には重すぎる結婚の条件

そんな攀姐でしたが、遂に素敵な彼氏ができます!彼氏は王柏川(ワン・バイチュアン)という人物で、彼女の大学の同級生、温厚で誠実な爽やかイケメンです。まさに美男美女カップル。

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しかし、攀姐が結婚相手に求める厳しすぎる条件のために、彼も苦しむことになります。

 

現代の中国の女性が結婚相手に求める条件はよく「有车有房有户口」と言われます。

  • 车:マイカー。
  • 房:「房子」の略で、マイホームのこと。
  • 户口:户口は戸籍のことで、北京や上海など、大都市の戸籍が好まれる。

日本人女性がかつて3K(高学歴・高身長・高収入)を結婚相手に求めたのと同じような感じですね。戸籍は努力で変えられるものではないので妥協するとしても、女性からしたらマイカー・マイホームは揃えて欲しい!というのが本音のようです。

マイカーは、車本体の購入は言わずもがな、大都市では車のナンバーを取得するのに大変なコストがかかります。例えば上海では、毎月限られたナンバーがオークション形式で売り出されるので、有利な価格を提示しなければならず、最大で8万人民元(約128万円)かかります。

マイホームは、結婚後に購入するのでは遅く、プロポーズ前に購入しなければ女性から受け入れてもらえません。私の中国の友人(25歳)も、父親の援助を得てマイホームを買った際、「マイホーム買った!内装も完璧!あと足りないのはお嫁さんだけ!!」とぼやいてました。笑

中国ではここ数年住宅バブルが発生、特に北京や上海などの大都市では住宅価格が著しく値上がりし、市政府が購入制限政策をとったほどです。例えば、上海のオフィス街から地下鉄2号線で30分ほどの広蘭路駅付近で物件を探してみると、築20年の中古物件でも平方メートルあたり5万元(約80万円)、つまり3LDKで70㎡ほどの物件だと350万元(約5600万円)かかるようです。築年数が浅いものや立地がいいものは間違いなく億超えます。

 

攀姐ももちろん例外ではなく、王柏川と再会したばかりの時にマイカー・マイホームの有無を探るシーンがあります。しかし、王柏川がレンタカーの高級車をマイカーだと言い張ったことが後でばれ、ちょっとしたいざこざが起こります。笑(そんな彼女も、3人でルームシェアしていることを隠し、マイホームを持っていると嘘をつくのですが。)

↓実はこの高級車、レンタカーなのですが、何も知らない攀姐は大喜び。笑

付き合い始めた後も、王柏川はマイホームの頭金を工面するために事業を軌道に載せなければいけないというプレッシャーに晒され続けることになります。マイホームのために、時には働きすぎたり、接待で取引先を楽しませるために飲みすぎてしまったりと、痛々しいけど素敵な彼氏さんです!しかもイケメン。二人には幸せになってほしかったな。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回紹介した攀姐以外の4人の登場人物も、仕事・就活・家庭環境などなど現代中国ならではの悩みを抱えており、「この悩み共感できる!」「こんな悩みもあるんだ〜」などと、非常に考えさせられるドラマでした。

Youtubeでシーズン1・2共に日本語字幕付きで観ることができるので、気になる方はぜひご覧ください!私も切実に語り合える仲間が欲しいです!笑

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